流遠亜沙 ASSAULT form 「終わる頃には、最初の出来事とか忘れてるよね。日常シーンなんかはカットされがちだから、シリアスなシーンが続いて疲れるし、日常シーンがないとキャラに愛着が湧きにくい。『Ⅲ』だとロロの最期にグッと来ない。積み重ねが薄いから。しかもここから怒涛の展開だから、もうロロの事が印象に残らない」
流遠亜沙 ASSAULT form 「まあ、「3部作で理解できたし、キャラも好きになれた」という事であれば余計なお世話です。逆に3部作だけを観て、「よく判らなかった」とか「詰め込み過ぎ・展開が早すぎ」という方に向けた意見です。10年を経て新企画が動き出す人気作なので、その魅力を正しく知ってほしいので」
流遠亜沙 ASSAULT form 「観て参りました、『アニゴジ』最終章――『GODZILLA 星を喰う者』」
ツバキ ASSAULT form 「まさか3部作すべて、公開初日に行くとは思いませんでした」
流遠亜沙 ASSAULT form 「過去2作は、平日でたまたまタイミングが良かったからなんだけど、ここまで来たら最後も初日に観てやろうやないか、と」
ツバキ ASSAULT form 「完結編となる訳ですが、いかがでしたか?」
流遠亜沙 ASSAULT form 「その前にこれを紹介しちゃおうかしら」
『GODZILLA 星を喰う者 アクリルジオラマ』
ツバキ ASSAULT form 「とても綺麗ですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「本体は前回の色違いなんだけど、本当に綺麗。背景との相性も良くて、眺めてニヤニヤ出来る。こういうの他の作品でも出してほしい」
ツバキ ASSAULT form 「『ライダー』や『戦隊』であれば欲しいです……」
流遠亜沙 ASSAULT form 「お求めは上映劇場の売店か通販で」
ツバキ ASSAULT form 「では改めて――最終章、いかがでしたか?」
流遠亜沙 ASSAULT form 「前作までと同じく、“面白いんだけどコレジャナイ感”。もう普通に言っていいと思うけど、前作のメカゴジラがロボット怪獣じゃなくて、要塞都市だったじゃない? あれはあれで面白かったけど、あたしが本当に観たかったのはゴジラとメカゴジラの取っ組み合い」
ツバキ ASSAULT form 「予想は出来ていましたが、今回のギドラも……」
流遠亜沙 ASSAULT form 「そこまでよツバぴょん! こっからは、ちょっとネタバレ含みますのでご注意を……!!」
流遠亜沙 ASSAULT form 「言うぞ! 言っちゃうぞ! 未見の方は後悔しないでね! ギドラは高次元存在です……ッ!!」
ツバキ ASSAULT form 「未見の方は首を傾げていると思いますよ」
流遠亜沙 ASSAULT form 「まあ、そこは問題じゃないからいいんだけどね。要は今作のギドラも前作同様に変化球の怪獣で、まともな怪獣バトルはしない。人間側にも戦力は残ってないから、対ゴジラ戦術みたいなバトルもありません」
ツバキ ASSAULT form 「とても観念的な作品でしたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「そうね。画面はとんでもなく派手な事になってるのに、実際にはすごく地味というか……観終わった後、「怪獣映画を観たぞ!」っていう爽快感はない。作品としては間違いなく面白いんだけど」
ツバキ ASSAULT form 「怪獣映画として観てしまうと不満が残るかもしれませんね。特に従来の『ゴジラ』ファンからは、ネット上でそういう意見が顕著です」
流遠亜沙 ASSAULT form 「これはこれで面白い。でも『ゴジラ』に求めてるのはこれじゃない――かと言って、普通に怪獣バトルをやったらアニメでやる意味がない」
ツバキ ASSAULT form 「アニメだからこそ出来る映像にはなっている分、悩ましい問題ですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「怪獣映画はアニメに向いてないから、やっぱり実写で――ともならないしね。需要がない、今の子供達にはウケない、だから『シン・ゴジラ』まで12年間も新作を作らなかった訳でしょ? 従来の人間が入った着ぐるみがミニチュアの街を壊したり、取っ組み合いをするのなんて、ナウなちびっ子たちのハートに刺さらないんですよ。今はもうモンスターや妖怪ですよ」
ツバキ ASSAULT form 「その認識すら、もう古いかもしれませんよ? 今や小学生でもスマホを持っていて、ソシャゲをプレイするらしいです」
流遠亜沙 ASSAULT form 「そんな事ぁ、どうでもいいんですよ! あたしは従来の怪獣映画がまた観たいんですよ! 川北演出みたいな派手でダイナミックな特撮が観たいんですよ! ヒーローも良いけど怪獣もね!」
ツバキ ASSAULT form 「……気付いてます? もう『アニゴジ』の話じゃなくなってます」
流遠亜沙 ASSAULT form 「…………最終章『星を喰う者』、是非観てください!」
ツバキ ASSAULT form 「怪獣バトルを期待して観るとコレジャナイ感があるかと思いますが、作品としてはとても面白いので、怪獣映画に興味ない方――特に虚淵玄脚本作品ファンにオススメです」
流遠亜沙 ASSAULT form 「金曜公開だったから、初日の初回に行ってきたんだけど……すごく良かった」
ツバキ ASSAULT form 「再編集ではない完全新作の宇宙世紀『ガンダム』の劇場版は、『F91』以来、実に27年ぶりだそうですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「うい。『F91』公開時は6歳だし、98年公開の『08小隊 ミラーズ・リポート』は新作じゃないから、あたしにとっては初めて劇場で観る宇宙世紀『ガンダム』です。そもそも、その間に製作された新作群は“OVAのイベント上映”で、完全新作の劇場版って『ガンダム00』だけなのよね」
ツバキ ASSAULT form 「『A wakening of the Trailblazer』ですね。これももう8年前です」
流遠亜沙 ASSAULT form 「だから、『ガンダム』ってTVやOVAで観るものであって、映画って不思議な感覚。「『NT』は映画です」って発表があっても、実感が湧かなすぎて……地元の映画館で観てるっていうのもあるかも。『GUNDAM THE MOVIE』も『劇場版∀ガンダム』も、地元じゃ公開されなくて、『SEED』以前は『ガンダム』ってもっとマイナーな存在だったから」
ツバキ ASSAULT form 「『SEED』以降のファンには信じられないかもしれませんね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「『ガンダム』っていう存在自体は誰でも知ってるけど、それはコアなファンが多かっただけで、絶対数はそうでもなかったって事よね」
ツバキ ASSAULT form 「毎度の事ですけど、本編の話をまったくしていませんよ。公開直後で内容に触れられないので、仕方なくはありますけど」
流遠亜沙 ASSAULT form 「超良かった……」
ツバキ ASSAULT form 「ですね。『UC』を踏襲していて、あのPVですから、ある程度は保険がかけられていましたが、期待を上回る内容だったと思います」
流遠亜沙 ASSAULT form 「原作というか原案に相当する、小説の『不死鳥狩り』がすごく良くて。『ガンダム』としても『UC』の外伝としても、ちょっと異質なファンタジーっぽい雰囲気が好きなのね。この劇場版もまさにそんな感じで、小説には登場しないナラティブガンダムなんかの活躍含め、最高だった」
ツバキ ASSAULT form 「キャッチコピーに『ニュータイプ神話の行き着く先――』とある通り、ニュータイプという存在に迫った作品でしたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「ニュータイプって、コアな『ガンダム』ファンでも、実はぼんやりとしか理解してないと思うのね。あたしも、すごい洞察力があって、テレパシーみたいな事で誤解なく相互理解が出来る人達――って捉えてるけど、結局ニュータイプ同士でも戦うじゃない? アムロとシャアだったり、カミーユとシロッコだったり、ジュドーとハマーン様だったり」
ツバキ ASSAULT form 「話の腰を折るようですが、ハマーンは“様”なんですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「呼び捨てになんて出来ないわ。恐れ多い……」
ツバキ ASSAULT form 「今回の『NT』関連のインタビューを読むと、『UC』の原作者であり、『NT』では脚本も担当している福井さんの、ニュータイプに対する考察がすさまじいですよね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「そうなのよ。そして、ちょっとオカルトであり、捉えようによっては危険思想なんだけど、すごく納得できる。劇場で販売されてる『ガンダム宇宙世紀メモリアル』に再掲載されてる『ニュータイプ考察・試論で私論』は是非、読んでほしい」
ツバキ ASSAULT form 「それを踏まえて、過去の『ガンダム』作品を観返したくなりますね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「富野監督の中には確固としたニュータイプ像が最初からあったって事よね。だけど凡人である多くの視聴者は判らないから、観ていて「?」となっちゃうけど、この考察を読むと腑に落ちちゃう。まあ、富野監督が視聴者にも判るように描いてくれればベストなんだろうけど、無理だもんなぁ……」
ツバキ ASSAULT form 「ニュータイプが福井さんの考察通りの存在であるなら、それを劇中で説明するのは不可能に近いでしょうね。時代もありますし、やはり捉えようによっては危険思想ですから」
流遠亜沙 ASSAULT form 「ただ『イデオン』や『ダンバイン』を作った人だから、そういう発想が出る事自体はまったく驚かない。やっぱり富野さんは良くも悪くも天才なのよね。だから凡人はなかなか理解できないし、逆に富野さんからすれば「どうして理解できないの?」って感じなのかも」
ツバキ ASSAULT form 「天才とは断絶である――ですか」
流遠亜沙 ASSAULT form 「けど、今回の『NT』、とくに福井さんの考察を読めば、ニュータイプが何なのか理解できてくる。そうするとファーストから『逆シャア』までの「?」となるシーンにも得心がいく」
ツバキ ASSAULT form 「期せずして、改めて富野由悠季という作家のすごさを再認識させられましたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「話を戻して――入場者特典はナラティブガンダムA装備と終盤のリディでした。複製原画もだけど、カット袋もちゃんと見るのは初めてかも」
ツバキ ASSAULT form 「パンフレットは特別版を買われたんですね。件の『ガンダム宇宙世紀メモリアル』と――」
ツバキ ASSAULT form 「イベント限定の『HG フェネクス』も買ったんですか。珍しいですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「こないだの『ガンダムワールド』で買った『ハロプラ』を除けば、この手のイベント限定ガンプラを買ったのは『新訳Z』の時の『HGUC Zガンダム』以来かもしれん。あんまりクリアver.とかには惹かれないんだけど、作品がすごく良かった事もあって、買っちゃいました」
ツバキ ASSAULT form 「こういう時のテンションって怖いですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「ね。まあ、後悔なんてないけど」
ツバキ ASSAULT form 「では、あまり突っ込んだ話も出来ませんし、そろそろ終わりましょうか」
流遠亜沙 ASSAULT form 「あ、これだけ最後に言わせて――ディジェ、超カッケー!」
ツバキ ASSAULT form 「ああ。確かに公開前からプッシュされるだけあって、本編でも短いながら印象に残る活躍でしたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「戦闘シーンもとにかくカッコイイので、宇宙世紀の『ガンダム』はよく知らなくても、ロボットアニメが好きなら楽しめると思う。これをきっかけに宇宙世紀に興味を持ってくれる若いファンがいたなら、こんなに嬉しい事はない!」