流遠亜沙 ASSAULT form 「金曜公開だったから、初日の初回に行ってきたんだけど……すごく良かった」
ツバキ ASSAULT form 「再編集ではない完全新作の宇宙世紀『ガンダム』の劇場版は、『F91』以来、実に27年ぶりだそうですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「うい。『F91』公開時は6歳だし、98年公開の『08小隊 ミラーズ・リポート』は新作じゃないから、あたしにとっては初めて劇場で観る宇宙世紀『ガンダム』です。そもそも、その間に製作された新作群は“OVAのイベント上映”で、完全新作の劇場版って『ガンダム00』だけなのよね」
ツバキ ASSAULT form 「『A wakening of the Trailblazer』ですね。これももう8年前です」
流遠亜沙 ASSAULT form 「だから、『ガンダム』ってTVやOVAで観るものであって、映画って不思議な感覚。「『NT』は映画です」って発表があっても、実感が湧かなすぎて……地元の映画館で観てるっていうのもあるかも。『GUNDAM THE MOVIE』も『劇場版∀ガンダム』も、地元じゃ公開されなくて、『SEED』以前は『ガンダム』ってもっとマイナーな存在だったから」
ツバキ ASSAULT form 「『SEED』以降のファンには信じられないかもしれませんね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「『ガンダム』っていう存在自体は誰でも知ってるけど、それはコアなファンが多かっただけで、絶対数はそうでもなかったって事よね」
ツバキ ASSAULT form 「毎度の事ですけど、本編の話をまったくしていませんよ。公開直後で内容に触れられないので、仕方なくはありますけど」
流遠亜沙 ASSAULT form 「超良かった……」
ツバキ ASSAULT form 「ですね。『UC』を踏襲していて、あのPVですから、ある程度は保険がかけられていましたが、期待を上回る内容だったと思います」
流遠亜沙 ASSAULT form 「原作というか原案に相当する、小説の『不死鳥狩り』がすごく良くて。『ガンダム』としても『UC』の外伝としても、ちょっと異質なファンタジーっぽい雰囲気が好きなのね。この劇場版もまさにそんな感じで、小説には登場しないナラティブガンダムなんかの活躍含め、最高だった」
ツバキ ASSAULT form 「キャッチコピーに『ニュータイプ神話の行き着く先――』とある通り、ニュータイプという存在に迫った作品でしたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「ニュータイプって、コアな『ガンダム』ファンでも、実はぼんやりとしか理解してないと思うのね。あたしも、すごい洞察力があって、テレパシーみたいな事で誤解なく相互理解が出来る人達――って捉えてるけど、結局ニュータイプ同士でも戦うじゃない? アムロとシャアだったり、カミーユとシロッコだったり、ジュドーとハマーン様だったり」
ツバキ ASSAULT form 「話の腰を折るようですが、ハマーンは“様”なんですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「呼び捨てになんて出来ないわ。恐れ多い……」
ツバキ ASSAULT form 「今回の『NT』関連のインタビューを読むと、『UC』の原作者であり、『NT』では脚本も担当している福井さんの、ニュータイプに対する考察がすさまじいですよね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「そうなのよ。そして、ちょっとオカルトであり、捉えようによっては危険思想なんだけど、すごく納得できる。劇場で販売されてる『ガンダム宇宙世紀メモリアル』に再掲載されてる『ニュータイプ考察・試論で私論』は是非、読んでほしい」
ツバキ ASSAULT form 「それを踏まえて、過去の『ガンダム』作品を観返したくなりますね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「富野監督の中には確固としたニュータイプ像が最初からあったって事よね。だけど凡人である多くの視聴者は判らないから、観ていて「?」となっちゃうけど、この考察を読むと腑に落ちちゃう。まあ、富野監督が視聴者にも判るように描いてくれればベストなんだろうけど、無理だもんなぁ……」
ツバキ ASSAULT form 「ニュータイプが福井さんの考察通りの存在であるなら、それを劇中で説明するのは不可能に近いでしょうね。時代もありますし、やはり捉えようによっては危険思想ですから」
流遠亜沙 ASSAULT form 「ただ『イデオン』や『ダンバイン』を作った人だから、そういう発想が出る事自体はまったく驚かない。やっぱり富野さんは良くも悪くも天才なのよね。だから凡人はなかなか理解できないし、逆に富野さんからすれば「どうして理解できないの?」って感じなのかも」
ツバキ ASSAULT form 「天才とは断絶である――ですか」
流遠亜沙 ASSAULT form 「けど、今回の『NT』、とくに福井さんの考察を読めば、ニュータイプが何なのか理解できてくる。そうするとファーストから『逆シャア』までの「?」となるシーンにも得心がいく」
ツバキ ASSAULT form 「期せずして、改めて富野由悠季という作家のすごさを再認識させられましたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「話を戻して――入場者特典はナラティブガンダムA装備と終盤のリディでした。複製原画もだけど、カット袋もちゃんと見るのは初めてかも」
ツバキ ASSAULT form 「パンフレットは特別版を買われたんですね。件の『ガンダム宇宙世紀メモリアル』と――」
ツバキ ASSAULT form 「イベント限定の『HG フェネクス』も買ったんですか。珍しいですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「こないだの『ガンダムワールド』で買った『ハロプラ』を除けば、この手のイベント限定ガンプラを買ったのは『新訳Z』の時の『HGUC Zガンダム』以来かもしれん。あんまりクリアver.とかには惹かれないんだけど、作品がすごく良かった事もあって、買っちゃいました」
ツバキ ASSAULT form 「こういう時のテンションって怖いですね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「ね。まあ、後悔なんてないけど」
ツバキ ASSAULT form 「では、あまり突っ込んだ話も出来ませんし、そろそろ終わりましょうか」
流遠亜沙 ASSAULT form 「あ、これだけ最後に言わせて――ディジェ、超カッケー!」
ツバキ ASSAULT form 「ああ。確かに公開前からプッシュされるだけあって、本編でも短いながら印象に残る活躍でしたね」
流遠亜沙 ASSAULT form 「戦闘シーンもとにかくカッコイイので、宇宙世紀の『ガンダム』はよく知らなくても、ロボットアニメが好きなら楽しめると思う。これをきっかけに宇宙世紀に興味を持ってくれる若いファンがいたなら、こんなに嬉しい事はない!」