最後の聖戦!? 榊一郎作品関連 2018年04月09日 『アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者18』著:榊 一郎イラスト:ゆーげん謎の『穴』で日本とつながったファンタジー世界。その日本だけの秘密だった異世界が米国にも知られてしまった。押し寄せる本格的な武装の米軍に、日本とエルダントは困惑するばかり。さらに、いまや異世界と日本との絆も絶たれようとしている。〈アミュテック〉のメンバー達も日本への帰還を要請されていて、慎一の心情は穏やかではない。そんななか、米軍海兵隊が超法規的強攻策に打って出た。狙われたのは、なんとペトラルカ!第1巻発売から約5年半、18巻というラノベ的にはかなりの長期シリーズとなった本シリーズも、いよいよ完結。読み終えての感想としては――とても良かった……。結末に関しては予想通りだが、このジャンルならゴール地点はほぼ決まっているのは当然。問題はそこまで到達した際、良い読後感を得られるかどうかで、本作は最高に気持ち良かった。主人公の一人称小説(他のキャラに移る事もあるが)なので読みやすく、彼が普通のオタクという点でも感情移入しやすい。そして、基本的に人が死なない世界観で、主人公に異能や特別な戦闘技能がないにも関わらず、きちんとバトル要素のあるシーンも盛り上げる。ファンタジーでありつつも、リアリティを大事にした描写。エンタメとしてのラブコメとシリアスのバランス。まさに榊作品!昨今のラノベ読みがどう感じるかは判らないが、まだラノベという呼称がなかった世代としては、このくらいのバランスが心地良い。まあ、ガチで最近デビューした作家さんのラノベは読んでないので、比較は出来ないのだが……。ともあれ、長期シリーズを締めるに相応しい最終巻だった。『アウトブレイク・カンパニー』、オススメ。ミュセルは可愛いなぁ……。 PR