『チャイカ』サーガを締めくくる真のエンディング!! 榊一郎作品関連 2015年12月10日 『棺姫のチャイカXⅡ』著者:榊 一郎イラスト:なまにくATKガズ皇帝との激戦の末、消息不明となったチャイカ、トール、フレドリカ。彼らが生きていることを信じ、捜索の旅に出た紅チャイカとアカリ。そして時は経ち――とある地で“チャイカ・ガズ”を名乗る少女が現れ――本編としては前巻で完結した『チャイカ』だが、本巻は後日談である中編と、『ドラマガ』に連載された3話分のエピソードが収録されている。まずは後日談である『棺姫の残影』。著者本人は“蛇足”と書いているし、そう感じる読者もいるかもしれないが、個人的にはすごく良かった。あの戦いからトール達がどうなったのかが描かれ、恋愛方面での決着もつく。その結末は賛否あるかと思うが、日本人の倫理観にとらわれなければ、全然アリだと思う。ちなみに、新キャラの新たなチャイカが可愛い。特別章『英雄の背中』は全3章の中編。時間軸的には旅の前半ぐらいで、本編では描かれなかった〈八英雄〉の1人、グレン・ドンカーブートの持つ『遺体』を巡るエピソード。こちらは“家族”というテーマを感じさせる内容で、どちらかというと親目線の印象がある。『スクラップド・プリンセス』から時間が経ち、やはり榊さんが人の親になったからこそ、そう感じるのかもしれない。さて、これにて約5年に渡る『チャイカ』の物語もいよいよ完結。“ファンタジー”“剣と魔法と竜”“家族”など、あえて『すてプリ』と同じモチーフを使いつつ、新たな物語を描ききったように思う。榊さんの次のファンタジア文庫作品がどんなものになるのか、気が早いが楽しみ。余談だが、通常版の表紙のチャイカは金髪だが、BD付き限定版では銀髪になっている。こちらのアニメも観たが、コメディに特化しており面白い。AパートとBパートがいわゆる“天丼”になっており、2話分観たような感覚になる。 PR