終末世界の日常を生きる二人の少女の物語、完結。 ラノベ・漫画・雑誌・ムック 2018年07月09日 『少女終末旅行』第6巻(完)著者:つくみず都市の最上層にたどり着き、さらにその最上部を目指すチトとユーリ。人工知能が残した地図を頼りに旅を続ける中、ふたりはロケット発射施設や膨大な蔵書を抱える図書館に立ち寄り、世界が終末を迎える前から連綿と続いてきた人々の行為に思いを馳せる。その後、再び最上部へと進路を取るふたりだったが、旅の行く末に影を落とすトラブルに見舞われてしまい……。終末世界を生きた少女ふたりの旅路がフィナーレを迎える最終巻!アニメでドハマりした本作だが、放送終了してすぐに原作も最終巻……あまりにも短い付き合いだった。やろうと思えば延々と旅を続けられる気もしたので、アニメで人気が出たにも関わらず、こうもあっさりと思わる事に潔さすら感じてしまう。で、感想なのだが――なんというか、たまらない気持ちになった。予想はしていたが、旅の終着地点には何もなく、少女達に救いもない……。ただ、チトとユーリの人生が不幸であったかと問われれば、そんな事はない。むしろ、終末世界を2人で旅した彼女等は楽しそうで、だから終わりにも後味の悪さは残らない。ただ、少し悲しいだけ……。しかし、“悲しい”と感じる事さえ読者の勝手な感傷で、これが“日常”である彼女等にとっては、そんな風には微塵も感じていないかもしれない。生きる世界の条件が違う以上、同じ価値観では測れない。荒廃した世界で過去の人間の営みに想いを馳せる2人を通し、人間とは、文明とは、生きるとは――そんな事をちょっとだけ考えさせられる作品。一気読み推奨。アニメもオススメ。 PR