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流遠亜沙 ASSAULT formの局地戦な日々

 

流遠亜沙 ASSAULT formが運営するサイト『局地戦用強襲型機動兵器・改』の付属ブログです。

お前を斃して私は本物になる

『永き聖戦の後に2 スケイプ・ゴート』
著者:榊 一郎
イラスト:猫缶まっしぐら(ニトロプラス)

魔王を討伐した英雄の生き残りであるジンゴと、議会からも魔族からも追われるメイベル。
メイベルを匿うジンゴの前に現れたのは、歌姫にして訓練された強力な勇者、〈ミスリル・チップス〉の少女3人だった――


新シリーズ第2巻、読了。
“魔王と勇者の対立”はファンタジーにおけるベッタベタな王道で、『まおゆう』や『はたらく魔王さま!』という変化球もすでに投げ尽された感がある。
そんな一種のブームが終わった今、榊一郎が書く“魔王と勇者の対立”が本作である。
悪い魔王がいるから勇者がそれを倒す――別にそれだけでいいのだが、そこに細かい理由付けをしていくのが榊節(さかきぶし)。
それこそ『スクラップド・プリンセス』や『ストレイト・ジャケット』の頃から、理詰めで物語を構築する職人気質で、本作でも「そういう理由付けをするのか……」と感心する事しきり。

設定や物語だけでなく、キャラももちろん魅力的。
まずは挿絵にもなっている人型魔物・ヴィオラ。



そこまでプッシュされた訳でもないのに、不思議と愛着が湧くのは、イラストの力もあるのだろう。
しかしこのヴィオラ……エロいわ。


そして、ヒロインのメイベルも可愛い。
榊作品としては割りと珍しいスタンダードなタイプのヒロインなのだが、設定や境遇が特殊だからこそなのかもしれない。
バックボーンが特殊なのに普通――それが良い的な。
この挿絵のシーンも可愛い。



作品としては一応、これにて完結っぽい。
続きがあるかどうかは売れ行き次第らしいので、売れてほしい。
いや、物語としては綺麗に一区切りなのだが、続きが読めるなら読みたい終わり方なので――特にヴィオラ!

物語のパターンは使い尽くされている。
しかし、切り口を変える事で新しい物語になる……か。

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