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流遠亜沙 ASSAULT formの局地戦な日々

 

流遠亜沙 ASSAULT formが運営するサイト『局地戦用強襲型機動兵器・改』の付属ブログです。

辿り着くべき場所


『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』


流遠亜沙 ASSAULT form
「もう1週間ちょっと前ですが――『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 2nd Season』が最終話を迎えました」

タオエン
「話数は第26話からスタートし、実質的な後半戦であり完結編でした」

流遠亜沙 ASSAULT form
「まず明言しておきます。あたし個人は、あの結末に不満はないです」

タオエン
「だが納得もしていない――と?」

流遠亜沙 ASSAULT form
「気持ちの良いラストじゃないわな。ハッピー・エンドじゃない訳だし。でも、あの結末以外ないと思うし、変に大団円になってもご都合主義的で嘘くさいじゃない?」

タオエン
「弱小チームが栄光を掴む、いわゆるサクセスストーリーではありませんからね」

流遠亜沙 ASSAULT form
「虐げられてきた子供達が家族になって、居場所を見つける話――っていうのは、1st Seasonでもうやったじゃない?」

タオエン
「同じ事をやっても仕方ありませんし、マクギリスがギャラルホルンを掌握し、鉄華団が火星の王にのし上がるような、まさにサクセスストーリーが観たいかと言われれば、ノーですね。だったら、全50話かけて1st Seasonの内容をやるべきです」

流遠亜沙 ASSAULT form
「今回の2nd Seasonは“その先”を描いた訳で、そうなると1stでやった事への“報い”を受けさせられるのは、ある意味で仕方ない」

タオエン
「鉄華団が生きていく訳で、他に選択肢がなく、多くの視聴者が同情的であっても、彼等のやってきた事は社会的には罪なので、罰は受けなくてはならない――と?」

流遠亜沙 ASSAULT form
「世間一般的な良識からしたら、そうなんじゃない? そんな良識、あたしは吐き気がするけど。ガンダムっていうのは抵抗のシンボルで、反体制側として描かれる事がほとんどで、今回のガンダムもそれを踏襲してるよね。圧倒的な権力や不条理に抗ってた」

タオエン
「しかし結局、暴力や武力で幸せにはなれませんでした。鉄華団にとっては不運だったとはいえ、家族や居場所も護れませんでした」

流遠亜沙 ASSAULT form
「不条理だなって思うけど、そりゃそうだよなとも思うのよね……。やっぱり、『ガンダム』でサクセスストーリーやっても嘘くさい。三日月は子供を残せて(本人が幸せかはさておき)、鉄華団やマクギリスの行為で、多少なりとも世界に爪痕は残せた。嫌なリアリティだけど、これが『ガンダム』でやれる限界だと思うのよ」

タオエン
「『ガンダム』でこの路線をやるべきではなかったと?」

流遠亜沙 ASSAULT form
「というか、こういうキツイ内容の番組自体、公の放送でやるべきじゃないのかも。どうしたって制限があるし、どんな結末にしても叩かれる。実際、ネット上でかなり叩かれてる……見ちゃってへこんだわ」

タオエン
「珍しいですね。そういうのは普段、見ないでしょうに」

流遠亜沙 ASSAULT form
「たまたまツイッターで見ちゃったのよ。そしたら、ハンドルネームなのをいい事に、監督や脚本家を罵詈雑言……よくもまあ、死ねとか書けるなって」

タオエン
「ネットリテラシーについては、今に始まった事ではありませんが」

流遠亜沙 ASSAULT form
「なんか悲しくなったわ。それだけ作品に思い入れがあったんだろうけど、その結末や、スタッフのインタビューでの発言が気に入らなかったからって、あんなに怒りの感情が湧くもの? ツイッターやブログは独り言みたいなもんだけど、“たかがTV番組”の結末で、そんなに攻撃的になる必要ある?」

タオエン
「これは軽く見ているという意味ではありませんが、しょせんはフィクションであり娯楽ですからね」

流遠亜沙 ASSAULT form
「アニメだけじゃなくて、タレントや政治家の発言に対してもそうだけど、世の中は攻撃的すぎない? あたしは擁護するつもりはなくて、気に入らないなら無視すりゃいいのにってスタンスだから、そのエネルギーが信じられない」

タオエン
「誰もがあなたのように、他人や世間に無関心ではありませんからね。ただ、それぞれに様々な不満を抱えていて、その捌け口として、何かを攻撃したい衝動があるのでしょう。ネットの匿名性やツイッターの手軽さは打ってつけと言えます」

流遠亜沙 ASSAULT form
「嫌な世の中だわ……悲しいね、バナージ」

タオエン
「というか、本当はこちらが本題だったのでは?」

流遠亜沙 ASSAULT form
「あ、うん。作品の感想は人それぞれだから、賛否両論あるのは何も問題ない。ただ、そういう攻撃的なものを見ちゃって、悲しくなって……そりゃニュータイプにでもならないと、人間は誤解なく判り合ったり出来ないよね」

タオエン
「無理矢理、『ガンダム』っぽくまとめようとしてますよね?」

流遠亜沙 ASSAULT form
「他人に優しく出来なくても、せめて攻撃的にならないように出来ないもんかね……世界の悪意が見えるみたいで嫌なのよ」

タオエン
「アレルヤの引用はスルーとして――そういうものを見ないようにするしかありません。まあ、今回はそれが目に入ってしまったという事ですが」

流遠亜沙 ASSAULT form
「TVだけじゃなく、ネットも見るのが嫌になりそう。あ、取って付けたようになるけど、『オルフェンズ』自体は面白かったし、本当にあの結末に不満はないです。『ガンダム』の新しい可能性を感じました」

タオエン
「色々な意味で、非常に刺激的な作品でした。数年後の評価や、今後のアニメなどに与える影響があるのかも、気になります」


『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』公式サイトはこちら

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