流遠亜沙
「しょせん、人間は食欲には逆らえないのかしら……」

ベアトリーチェ
「どしたの? 食費を削って趣味に回すマイスターらしからぬ発言だね」

流遠亜沙
「食べちゃった」

ベアトリーチェ
「うわぁ。バリューセットにハンバーガー追加なんて贅沢を……え、マイスターもしかして、余命いくばくもないとか?」

流遠亜沙
「別に最後の晩餐とかそういう事じゃないわよ。月見バーガーの期間が終わるから、きのこ月見とチキンチーズ月見も食べておこうかと。来年まで食べられないしね」

ベアトリーチェ
「なんだ、食べ納め的な事だね」

流遠亜沙
「大変美味しゅうございました。これが今年最後の贅沢だろうな……」

ベアトリーチェ
「グラコロバーガーには興味ないもんね。グラタン好きなのに」

流遠亜沙
「ハンバーガーにしなくていいのよ」

ベアトリーチェ
「でも、今年まだ3ヶ月あるよ?」

流遠亜沙
「今年、マックに2回行っただけで、ほとんど外食をしておりません。金がないなら食欲は抑えられるのよ……月見には負けたけど」

ベアトリーチェ
「……4月頃からエンゲル係数が更に低くなったけど、そんなにお金ないの?」

流遠亜沙
「正直、ヤバいね。綱渡りの every dayだわ」

ベアトリーチェ
「『escape』って、伝わるかな?」

流遠亜沙
「“MOON CHILD”で検索してください。嗚呼、腹一杯好きなもん食いたい。ロイヤルホストのコスモドリアとホットファッジサンデーが食べたい」

ベアトリーチェ
「ファミレスだよね?」

流遠亜沙
「高い店なんて知らないもの。そのうち、空腹を感じたら指をくわえて誤魔化さなきゃならなくなるかも」

ベアトリーチェ
「じゃあ、わたしの指……なめる?」

流遠亜沙
「マジで!? 是非!」

ベアトリーチェ
「冗談に決まってるじゃない。マイスター、キモいよ」